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企業のブランディングを加速させる戦略的なオフィス5選

近年、オフィスを企業文化やブランドを象徴する「顔」とみなし、ブランディングの視点からオフィス戦略を講じる企業が増えています。本記事では、従業員が働きやすい環境づくりと、企業の価値観を視覚的に発信する空間設計をバランスよく実現し、顧客や従業員のエンゲージメント向上やブランドイメージ強化に成功した企業事例を紹介していきます。

オフィスブランディングとは

オフィスブランディングとは、社内外に企業の価値観を伝える場として、オフィス空間を設計することを意味します。ブランディング戦略においては、働きやすさの実現はもちろん、オフィスが企業文化やブランドを体現する場として機能することが重要です。コーポレートカラーを採り入れるだけでなく、企業のコンセプトやビジョンを視覚化した内装デザインは、社員のモチベーションや生産性、エンゲージメントを高める効果が期待できます。

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一方で、オフィスの見た目だけを整えた施策では、本当のブランディング効果は生まれません。オフィスブランディングを成功させるためには、企業理念の明確化、立地やビルグレードの選定、窓からの眺望、騒音対策、従業員の業務効率やウェルネスなど、様々な点に配慮した空間設計が必要です。オフィスを単なる職場から、ブランドの象徴へと導くためには、多角的な視点から働く人も訪れる人も満足度の高いオフィス戦略を目指しましょう。

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オフィスブランディングに成功した企業事例5選

ここからは、実際に企業ブランディングの視点からオフィス戦略を策定・実行したことで、ポジティブな効果を生み出した企業事例を紹介していきます。

デザイン性と働きやすさの両方を追求し、企業ブランディングの強化に大きく貢献したオフィス「株式会社プレイス&アビリティ」

白を基調とした植物豊かな空間。社員にも来客にも程よいリラックス感を提供できるように設計された「誠実さ」を伝えるデザイン

SNS連動型新卒求人メディア「バズくる!!」の開発・運営をはじめ、様々な採用支援サービスを展開するプレイス&アビリティのオフィスは、デザイン性と機能性を両立し「関わるすべての人が生き生きと輝けるように」という想いが込められています。

部署の壁を取り払った執務室は、プランターボックスで区切ることで柔軟にレイアウト変更可能なだけでなく、着席時には集中できるプライベート感を、起立時には全社を見渡せる一体感を実現しています。それによって横断的なコミュニケーションの活性化が生まれ、統一感と連帯感の醸成に繋がっています。
また、カフェスペースの動線も工夫したことで利用頻度が上がり、社員の休憩時間がより充実するのはもちろん、同期間の絆や事業部を超えた結束が強化されているそうです。

これら一つひとつの工夫が、社員の帰属意識を高めるだけでなく、採用活動においても強力な武器となっており、こちらのオフィスで面談を行った新卒採用の内定承諾率が驚くほど向上したそう。「こんな素敵なオフィスで働きたい」と学生に感じさせることは、未来の優秀な人材を確保する上で不可欠です。このように、働きやすさや理念を反映したオフィスは、社内外双方にポジティブな効果を生み出します。

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最新のブランディングを反映し、AIカンパニーらしさを体現したオフィス「株式会社LayerX」

「LayerXらしさ」が詰まったエントランス。来客の方が写真を撮る姿がよく見られるとのこと

AI SaaS「バクラク」事業を始め、すべての経済活動のデジタル化に取り組む株式会社LayerX。「出社したくなるオフィス」をコンセプトに新オフィスを設計しました。リブランディングのタイミングで最新のブランディングを反映できたといいます。

例えば、エントランスの自動ドア設備は「テックな雰囲気のオフィス」を演出するとともに、同社の行動指針である「Bet Technology(現:「Bet AI」)」を表現しています。これにより、来訪者へAIカンパニーとしてのブランドイメージを強力に訴求しています。さらに、動かせる仕様のロゴを設置することで、写真撮影をしてSNSでの発信を促すアウターブランディングにも貢献しています。

また、「社員のパフォーマンス最大化」を目指した空間設計は、インナーブランディングの柱となっています。さまざまな種類の椅子や、集中するための奥まったエリアを用意し、机や周辺機器の環境は統一して整備。これにより、社員の満足度とエンゲージメントが高まり、「フリーアドレスでも支障なく仕事がすぐできる」「使いやすいオフィス」といった具体的な好評の声が寄せられています。

このことから、オフィスが単なる業務効率化のみの拠点に留まらず、企業のブランドイメージの発信と社内エンゲージメントの向上を実現する戦略的拠点となっているといえます。

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クリエイティブ企業ならではの世界観が繰り広げられたオフィス「株式会社GOKKO」

わくわくしながら映画を待つような、高揚感のあるスペースもスタジオならではの仕掛け。

縦型ショート動画プラットフォーム向けのドラマ制作を手がけるクリエイティブ企業の株式会社GOKKOは、ブランドアイデンティティを大胆にオフィス空間へと反映させています。

お台場エリアに新たに作ったオフィスは、執務エリアとスタジオを併設。移転にあたって設備面だけでなく会社のリブランディングも行い、そのメッセージがオフィスの随所に反映されています。映画館のロビーをイメージしたエントランスは、来訪者に魅力的なブランド体験を提供。スタジオエリアにあるオープンスペースにも「GOKKOとしてどういう形を作っていきたいか」という想いが表現されています。

また、会議室の名前はすべて有名映画のタイトルになっており、各タイトルの世界観をインテリアに反映させています。そうすることで会議室を撮影スタジオとしても使用できる設計は、クリエイティブ企業ならではの工夫です。これらの様々な工夫により、新オフィスへの移転後は、従業員の創造意欲が高まるとともに、ブランドの世界観を来訪者へ強く印象づけています。

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オフィスもブランディングの1つ。枠にはまらない社風を体現「fast step株式会社」

通販事業を展開するfast step株式会社は、ブランド力強化を目的に銀座の象徴的なランドマーク「GINZA SIX」内へと本社を移転しました。フルリモートでも勤務可能な通販事業ですが、あえて賃料の高い銀座にオフィスを構えることで、「他の通販事業者とは違う」という差別化ポイントを生み出しています。「GINZA SIX」に本社を構えているという点が海外から評価されて取引先が増える、という予想外のブランディング効果もありました。

エントランスには日本らしさが感じられるパネルや盆栽、のれんをくぐった先には明るく白い空間に商品やノベルティが並んでおり、強い印象を与えるデザインで来客や社員を迎え入れています。また、会議室ごとに「ブルックリン」「バーバー」「昭和の日本」などといった遊び心とユニークなコンセプトを持たせたり、リフレッシュルームをスナックのようなデザインにすることで、同社の枠にはまらない社風を象徴し、社員の愛着とユーモアを醸成しています。

オフィスに投資することで「求人の質も変わった」という明言もあり、オフィスがおしゃれであることが、優秀な人材を引きつけるフックとなっています。「ここで働いている」と社員が言いたくなるオフィスにしたいという社長の強い思いが、社員が自社に誇りを持てる環境を提供しています。

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ユーザーとの接点を生かしたブランディング施策の実験場にもなるオフィス「シェアフル株式会社」

スキマバイトアプリ「シェアフル」を提供するシェアフル株式会社では、『誰もの「はたらく」をひろげ、新しい「はたらく」をつくる』というミッションのもと、個人の就労の選択肢を広げる事業を展開しています。同社のオフィスは、計算し尽くされた美しさよりも「カオス(手作り感、わちゃわちゃ感)」を重視。これは、イノベーションを起こす企業としての価値観を空間で表現する試みとなっています。

また、スキマバイトとしてユーザーの方が働きに来られる場でもあるため、オフィスを単なる働く場所としてだけでなく、ユーザーとの接点を生かしたブランディングの重要な拠点として捉えています。オフィスの入り口に屋外広告のビジュアルや顔はめパネルを設置したり、屋外広告や駅構内に出す看板の感想をユーザーの方に聞くことができるなど、実験の場としても活用しています。

「1番最初にあるべきははたらきやすい環境」その上で「楽しめるオフィス」にしたいという考え方は、社員のモチベーションと帰属意識も高め、強力なオフィスブランディングに繋がっています。

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オフィス戦略成功のカギは「働きやすい環境整備」と「価値観の視覚化」の両立

オフィス戦略は、企業のブランド価値や採用力、従業員のやる気に大きな影響を及ぼす重要な経営戦略の一つです。内装や立地で企業の世界観を伝え、自然なコミュニケーションが生まれる仕組みを取り入れることで、企業文化が深まり、革新的なアイデアも生まれやすくなります。

今回ご紹介した5社はいずれもオフィスづくりを通じて事業成長や採用強化に成功しており、オフィスが「企業の顔」として効果的に機能しています。本記事を参考に、自社の理念やビジョンに合ったオフィス戦略を考え、働く人や訪れる人に愛される場所を作ってみてはいかがでしょうか。

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