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オフィスインタビュー
vol.293 PayPay株式会社

4社を集約し、事業の推進スピードを加速。PayPayのYOTSUYA TOWER新オフィス見学ツアー

QRコードを読み取るキャッシュレス決済サービス「コード決済」の代名詞ともいえるサービス「PayPay」を提供しているPayPay株式会社。グループ4社が本社を集約し、YOTSUYA TOWERへと移転しました。

移転プロジェクトや、オフィスファシリティへの想いについて、PayPay株式会社の総務を担当する堀北さん、渡辺さん、大塚さんにお話を伺いました。

堀北 航
インタビュー
堀北 航
PayPay株式会社 コーポレート統括本部 経営推進本部 総務部 総務チーム リーダー

新卒でパーティションメーカーのオフィスデザインチームに所属。その後、PM部門の立ち上げにともない、PMとしてのキャリアをスタート。様々な企業のオフィス移転やレイアウト変更の設計・PMを担当。オフィスビルのほか、工場、クリーンルームのCM担当としても実績を積んだ後、2020年2月にPayPayへジョイン。コロナ禍の中、本社移転や、全国営業拠点のオフィス最適化を実施。2021年4月より現職。ハイブリッドスタイルを後押しするオフィス最適化に従事。

渡辺 千夏
インタビュー
渡辺 千夏
PayPay株式会社 コーポレート統括本部 経営推進本部 総務部 総務チーム

2022年1月にファシリティ担当としてPayPayへジョイン。全国約20拠点のファシリティマネジメントに従事しながら、2回の本社移転のほか、地方拠点のすべての移転・増床PJに参画。オフィスを通じた従業員のパフォーマンスの最大化に取り組む。趣味は書道、国際書展で特選を受賞。

大塚 萌
インタビュー
大塚 萌
PayPay株式会社 コーポレート統括本部 経営推進本部 総務部 総務チーム

2019年7月にPayPayへジョイン。総務として社員サポート業務を担当。
総務としてのキャリアは12年に及び、社員が日々の業務に集中しスムーズに仕事ができるようサポート。セキュリティやリスクを考慮し、業務効率と安全性を両立させるためのルールやフロー構築に注力。

子会社含む4社の本社を集約

卯岡(IBASHO.ライター) :

個人的にもPayPayユーザーなため、「存じ上げているため、今更ですが」という気持ちもあるのですが、あらためて御社のご紹介をお願いできますか?

堀北さん :

ご利用ありがとうございます!弊社はキャッシュレス決済サービス「PayPay」を2018年10月に提供を開始しました。現在のユーザー数は約7000万人と、日本の人口の2人に1人以上がPayPayユーザーという状況になります。

卯岡 :

そんなに広がっているんですね…!

堀北 :

キャッシュレス決済の中で、クレジットカードの次に決済回数が多いのがPayPayなどコード決済と呼ばれるものなのですが、そのコード決済の取扱高、回数のうち、約3分の2がPayPayと、ありがたいことに大きなシェアを誇っている状況なんです。

さらに、弊社にはPayPay銀行やPayPay証券、PayPayカードといった子会社もあるため、お金を支払うだけではなく、デジタル給与という形でPayPayで給与を受け取ったり、お金をPayPay銀行に預け、PayPay証券で資産運用するといった様々な金融サービスが利用できる「デジタル金融プラットフォーム」を提供しています。

卯岡 :

ユーザーの利便性が上がっているんですね。皆さんはPayPayの社員でいらっしゃるそうですが、どんなお仕事をされていらっしゃるんでしょうか。

堀北さん :

総務部の名の通り、「ザ・総務」からイメージされる仕事に携わっています。基本的には社員サポート業務を行っているのですが、ファシリティ領域にも携わっていますね。設計からPM、CMも含めて、基本はインハウスで対応していますが、規模感やタイミングによっては外部委託をすることもあります。オフィス全般の運用構築のメインは大塚が、オフィス構築に関わるファシリティ業務は渡辺中心で進めています。私はそのチームのリーダーという感じですね。

渡辺さん :

弊社は営業所を合わせると全国に約20拠点ございますので、それらのファシリティマネジメントも行っています。今回行われた本社移転プロジェクトにも参画しました。

卯岡 :

移転プロジェクトは何人で進められたんですか?

堀北さん :

僕ら3人に1人加えた4人ぐらいですね。今回の移転はグループ集約が目的だったため、各グループの総務からも人を出してもらっています。僕らは全体の取りまとめ、外部とのやり取りを行ったという感じですね。

卯岡 :

グループ集約をすることに決められた背景についても伺いたいです。

堀北さん :

もともとPayPayは竹芝にオフィスがありました。2022年10月にPayPayカードが子会社化し、今年(2025年)4月にPayPay銀行やPayPay証券が子会社化したのですが、それらのオフィスは新宿や日比谷にありました。グループ会社として、オフィスを集めたほうが事業スピードを加速できるという考えから、本社移転の話が持ち上がったというのが経緯です。PayPay銀行が加わったのは今年4月ですが、オフィス集約の話自体は以前から出ていまして、水面下で物件を探してはいました。

卯岡 :

そうなんですね。

堀北さん :

この規模ですと、2、3年前ぐらいから話をしていかないといけないだろうとわかっていましたからね。全国どこからでも働ける勤務形態のため、当時は各地からのアクセスが良い東京駅周辺や竹芝エリアで物件を探していました。

卯岡 :

YOTSUYA TOWERに決められたのはなぜですか?

堀北さん :

ヤフーとLINEが合併することになり、グループ全体の資産の有効活用という観点から、居抜き移転を決定しました。

卯岡 :

検討していたところからはエリアが変わりましたが、それは問題にはならなかったのでしょうか。

堀北さん :

はい。ハイブリッドスタイルと言いつつも、実態としてはリモートワークが中心のため、オフィスの場所にはそこまでこだわらなくてもいいのかなと。四谷は都内の中心地でもありますしね。なお、エリアは変わりましたが、利便性は高くなったと感じています。社内からも通勤が楽になった!との声もちらほら聞こえています。

卯岡 :

移転後、出社される方の増減はいかがですか?

堀北さん :

増えているのかなと思いますね。

大塚さん :

曜日によってかなり印象が変わりますね。金曜日は出社人数が多く、席が足りないと言われてしまうことがあります。

渡辺さん :

雨の日はわかりやすく少ないですよね。特に月曜日の雨は在宅勤務を選ぶ人が多いです。

卯岡 :

雨の月曜日は出社が億劫になる気持ち、わかる気がします(笑)。グループ集約のための移転ということで、1社での移転とは違う大変さがあったりされたのでしょうか。

堀北さん :

各社それぞれのルールのすり合わせが難しく、時間を要しました。たとえば、来客対応の仕方や、セキュリティーカードの配布や管理方法、会議室の予約ルールなど。グループ集約をする上で、共用できる部分をまとめることが大きなメリットですから、切り分けてしまうと意味がなくなってしまいます。そのため、一定のフロアは4社の来客対応ができる場所として使えるよう、セキュリティーポリシーや運用ルールの統一などについて意見をすり合わせました。

大塚さん :

それぞれの懸念点など、かなり腹を割って意見を出し合いましたね。

堀北さん :

丁寧にすり合わせた甲斐あってか、始動後は大きな混乱もなく、割とスムーズに運用開始できたと思います。

卯岡 :

各社で使われる場所に関してはいかがですか?

大塚さん :

執務スペースについては、セキュリティ―的な問題もあって共有ができないので切り分けています。移転後にアンケートを実施し、社員からの声を元に都度改善しています。より良い環境で働いて頂けるように、ソフト、ハードの両面から対応しています。

卯岡 :

御社では何か入居後に改善された例がありますか?

堀北さん :

先ほど大塚からも話があった「曜日によって席が足りない」問題を解消すべく、デスクの増設、レイアウト変更を行っています。また、フォンブースを長く使ってしまう人がいるという問題も出てきたので、あえてスタンディングデスクに変えるという対処もしました。ただ、オンラインでの会議が続き、どうしても利用が長くなってしまう人もいるため追加でハイチェアを導入しました。

卯岡 :

苦心されていらっしゃるんですね。なお、居抜きオフィスだったということですが、そこに関しての難しさはいかがでしたか?

渡辺さん :

今回は工期が短く、半年ほどで入居可能な状態に仕上げる必要があったため、まず居抜きでなければ不可能なプロジェクトだったと思います。

堀北さん :

居抜きの場合、どの什器や家具が残されるのかの確認、調整業務が発生しますが、今回の場合、前テナントがLINEヤフーなので、そこは比較的やりやすかったですね。グループ会社ということもあり、ある程度柔軟に対応いただけました。

卯岡 :

ありがとうございます。では、実際にオフィスを拝見させていただきたいと思います!

居抜きオフィスにアレンジを加えて、働きやすいオフィスに。PayPayのオフィス見学ツアー

今回は、共有エリアと、PayPayの執務エリアを拝見させていただきました。

エントランス

卯岡 :

広々としたエントランスですね。ところどころにある赤色や「P」のブロックが目を惹きます。

堀北さん :

「P」は以前からあったものだけではなく、今回新たに増やしたものもあります。写真撮影時にも使えて便利です。

カフェスペース

渡辺さん :

こちらはカフェスペースです。

堀北さん :

みんなが集まる場所ということから「パティオ/Patio」と名付けています。

一角には靴を脱いで上がれる小上がりスペースも
卯岡 :

広々としていていいですね。

大塚さん :

これだけ広くても、お昼時には休憩に来る社員でいっぱいになるんです。グループによって社員のカラーがかなり異なるので、様子を眺めるだけでもおもしろいんですよ。

Park

渡辺さん :

こちらは「パーク/Park」というエリアです。いわゆるチームビルディングエリアで、今回の移転で新たに打った仕掛けとなります。3×4のグリッドがあり、それぞれの場所にみんなで名前を付けました。ここは「ドーナツ」ですね。

卯岡 :

各スペースの仕切りはカーテンなんですね。

渡辺さん :

そうなんです。使用人数に応じてつなげて使えるよう、カーテンにしました。

卯岡 :

活用具合はいかがですか?

渡辺さん :

結構使われていますね。キックオフのときに使ったり、部署やチームで出社日を決め、そのタイミングで予約して全員で集まって仕事をしたりしている様子がうかがえます。いろんな表情で仕事をしているのが、外から見えるのが個人的にお気に入りです。

卯岡 :

こちらは何ですか?

渡辺さん :

主にモニター用のバッテリーですね。簡単に移動できるよう、モニターにも電源コードがないんですよ。

卯岡 :

コードがあると、キャスターを動かすのも一苦労しますもんね。ふだん、皆さんもこちらのフロアで仕事をされているんですか?

堀北さん :

いや、私たちがふだんいるのは別のエリア「ポート/Port」です。私たちはグループ全体も見ているため、窓口カウンターのような場所にいて対応している感じですね。先ほどの「パティオ/Patio」もそうですが、「ポート/Port」にもいろいろな方が来られるのでおもしろいですよ。

大塚さん :

いずれは、総務窓口をグループ会社でシェアード化したいという想いがあるんです。そのためにはルールの統一が必要なので、まだ今すぐという話ではないんですが、統一できたらいいなというところを目標に据えて取り組んでいます。

卯岡 :

すり合わせるのは大変でしょうが、実現できたらオフィス集約の意味がより高まりそうですね。

大塚さん :

業務の特性上、仕事を一緒にすることはできないのですが、せっかく4社が集約されたので、交流を深められるイベントなどを開けたらいいなと思っています。

堀北さん :

オフィスは作って終わりではなく、入居してからが第2ステージだと思っているんです。すべての意見を取り入れられるわけではありませんが、社員の意見を聞き、生産性の向上に寄与できるよう、改良改善を続けていかなければならないなと思っているところです。

卯岡 :

何かしらで意見を集めていらっしゃるんですか?

堀北さん :

年1のアンケートと、それとは別にHRとも連携して意見を集めています。ただ、そうした機会だけではなく、個別に意見を頂く機会もあります。オフィスに関心のある方が多いんだと思います。「自分の生産性を上げるために、こうしてほしい」と言ってきてもらえるのは、こちらとしても作り甲斐があるのでうれしいですね。

卯岡 :

何かこれまでに改善したことはありますか?

大塚さん :

席が足りなくなってレイアウト変更と共に席を増やしたこと以外でいうと、物件側の許可を得て、給湯室に洗剤とスポンジを設置し、マイボトルやマグカップを持参してもらいやすい環境を整えました。ウォーターサーバーは、紙コップの使い捨てが発生するので良くないよねということで。「だから持ってきてね」と言うだけではなく、持ってきやすい環境を整えるのが私たちの役目だと思っています。実はカフェもあとからできたものなんです。あと、コンビニもできました。

堀北さん :

こちらは4社すべてが入ったあとにオープンする予定だったので、予定はあったけど時期が遅かったというものですね。社内周知を出したところ、かなりの数のリアクションがあったのでそんなに待ち望まれていたのかと思うほどでした(笑)。

渡辺さん :

今回は居抜きでの移転だったため、まだまだ今もテコ入れの最中なんです。すでにいろいろなエリアで手を入れる話が出てきています。今後もエンゲージメント、生産性の向上につながる、社員の皆さんが居心地いいと感じられるオフィスにブラッシュアップしていきたいです。

絶賛テコ入れ注力中。より働きやすいオフィスへのブラッシュアップを

堀北さんのお言葉にもあったように、オフィスは入居して終わりではなく、入居してからがフル活用するための第2ステージです。

「まずはファシリティ的な設備面から考えて整えたあと、社員が使っていくなかでオペレーションをきっちり回すのが管理を担っているチームの役割」とも語ってくださいました。

自社フロアの使い勝手の改善も検討しつつ、4社を集約したメリットを最大化させるため、まだまだやりたいことがあるという3人。このオフィスで、どのような交流が生まれていくのか楽しみです。

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