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RC造のオフィスビルを選ぶ上で大切な3つのポイントを紹介!

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賃貸オフィスを選ぶ際に、立地・間取り・家賃などは誰しもが目が行くものですが、その建物の構造にまでは、あえて注意していなければ見落としてしまいがちです。

しかし、オフィスビルの建物の構造についても正しい知識があると、防災などの観点からの安心感が得られたり、自社で考える理想のオフィスづくりの一助になるケースも考えられます。

今回はオフィスビルでメジャーな構造である鉄筋コンクリート造(RC造)について詳しく解説し、実例も交えつつ他の構造とも比較しながらそのメリット・デメリットを解説していきます。

オフィス選びの条件に建物の構造を考慮すべきか、判断する材料になりえますのでぜひご一読下さい。

2021年08月13日


この記事を読むのに必要な時間は約 18 分です。

RC造とは?

 

 

RC造とは建築資材として鉄筋コンクリートを使った建物の構造のことを指します。オフィスビルに採用されている構造の中では比較的メジャーなタイプの一つです。

 

鉄筋コンクリートは「強化されたコンクリート」

 

そもそも、RC造の「RC」とはReinforced Concreteの略です。素材の大元はコンクリートで、それを鉄筋で補強している構造、と考えるとイメージしやすいでしょうか?

 

具体的には鉄筋で枠組みをつくり、そこにコンクリートを流し込むことで素材を形成しています。

 

コンクリートは外部から圧縮される力、つまり内向きの力への耐性の高さが素材としての魅力の一つです。一方で鉄筋は外部に引っ張られる強さ、つまりその向きの力への耐性が高い素材です。両者の長所が合わさることにより強度の高い素材が完成します。

 

RC造のオフィスで利用される方法①「壁式構造」

 

RC造の建築方法として採用される方法の一つに「壁式構造」が挙げられます。

 

壁式構造とは、四方の壁と天井・床の六方全てを「壁」のような形で構成する構造です。全ての方向性からの力を面で受けるため、強い耐久性を持っているのが特徴です。実際のところ、阪神大震災などの震災時の建物のデータをとっても、壁式構造の建築物は築年数が経過していても大きな損傷があった建物は少なかったデータが出ています。

 

また、四方を壁で囲うため、柱や梁といった素材がなく専有部分がスッキリした空間になるような部分もメリットとして挙げられます。

 

耐震構造としては非常にメリットの大きい壁式構造ですが、四方を壁で囲うため建物自体に重量が出てしまうこともあり、高層の建物を建築することには向いていません。実際、壁式構造の建物は5階建てくらいまでにしか採用することができません。

 

また、リフォームなどの工事を行う際に既存の壁を取り払うような施工は困難であるため、大きな制約がかかることもデメリットとして挙げられます。

 

RC造のオフィスで利用される方法②「ラーメン構造」

 

次に挙げられるのが建物の躯体を縦の「柱」と横の「梁」で枠組みのように構成していく「ラーメン構造」が挙げられます。ラーメンとはドイツ語で「枠」や「額縁」を意味する語であり、その名の通り柱と梁で作り上げていくことで建物の枠組みを完成させます。

 

柱と梁の接合部分をしっかりと固定することにより、壁を用いなくとも一定レベル以上の耐久性を出すことができるのが特徴です。

 

ラーメン構造を採用することにより、建物の枠組み全体の重量を壁式構造と比較して大幅に抑えることができるため、高層ビルの建築にも適した方法です。マンションなど居住用物件の場合には壁式構造の低層建物では珍しくはありませんが、現在オフィスビルとして主要なのはラーメン構造の方です。

 

全体として建物の枠組みにされている壁がないため、内部の空間が広く取りやすいことや、リフォーム・リノベーションなども容易であることがメリットとして挙げられます。

 

一方で柱や梁の構造によっては間取りに制約が出てきてしまうような点や、構造そのものとしては壁式構造ほどの強い耐久性はない点がデメリットとして挙げられます。

 

RC造と比較する他の建物の構造と特徴

 

 

RC造について、基本的な構造や使われ方の特徴について挙げてきました。その他に建築においてメジャーな手法について挙げていきます。

 

住宅用の建物としては最初に紹介する木造(W造)の建築物も比較的メジャーですが、オフィスビルの構造としては今回のメインテーマのRC造に加えて鉄骨(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)です。

 

木造(W造)

 

木造はその名の通り木材を使って建築した建物のことを指します。柱や梁、壁などに木材を使って建物の枠組みを造ります。

 

木材は一定以上の耐久力を持ちながら、柔軟性にも優れた重宝する建築資材です。通気性に優れており温度や湿度を自動で調整してくれる機能を持つため、年間を通じて建物の中を快適に保つ役割も果たしてくれます。

 

また、木造であること自体、建物に風情が出て自然志向にもマッチするため、デザインとしても好まれる傾向にあります。

 

また、建築資材として比較的低コストであり、建築コストが抑えられるため、入居者にとっても賃料を抑えられる傾向にあります。

 

ただし、耐久性としては他の建築資材に比べると劣り、大きな建造物の増築には向いていません。一般には三階建て程度が限度で、多数のテナントが入居するようなオフィスビルに適した素材とは言えません。

 

また、遮音性が弱く、周囲の音が響きやすく業務に集中する環境が作りにくいこともオフィス用途に用いるにはデメリットとして挙げられます。

 

加えて、可燃性のある木材は防火性としても低いため災害時のリスクなども懸念されます。

 

鉄骨造(S造)

 

鉄骨造はその名の通り鉄を素材として躯体を構成する建造方法です。金属製で耐久性に優れる素材でありながらも、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートと比較すると軽く、大きな建造物を造るのにも適しています。実際、大型の工場や高層のオフィスビルにも多用されている構造です。

 

軽量であるため、建築時に地盤に与える影響が少なく、補強の必要性が低いことからも建築の工期が比較的短縮できる傾向にあります。加えて、建築資材そのものが鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートと比較すると安価なため、建築費用も抑えることができます。

 

建築の工期やコストは最終的にはテナント入居者の賃料に転嫁される傾向にあるため、S造の物件は築年数や立地などの条件が近かった場合、RC造や次に紹介するSRC造のオフィスビルと比べると賃料が抑えられる傾向にあります。

 

一方で、躯体が鉄のみでできているため耐火性は比較的低く、550度程度から強度を失い、変形しやすくなります。

 

また、鉄のみを素材とするため、圧縮される力に対しては比較的耐性がなく、耐震性などの面でもRC造やSRC造と比べると不安が残ります。倒壊までは至らなくとも、地震の際に建物が揺れやすいこともあり、精密機械や危険な化学薬品などを扱う企業の場合、S造の建物では有事のリスクが高い可能性があります。

 

また、防音性の面でもコンクリートが含まれていない分RC造やSRC造に比べると音が響きやすい傾向にあります。

 

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

 

鉄骨鉄筋コンクリートとはコンクリートの内部に鉄筋に加えて鉄骨を入れて補強した建築資材です。「SRC」はSteel Reinforced Concrete Constructionの略で、「S造」と「RC造」を足し合わせたメリットを併せ持っています。

 

実際、鉄筋コンクリートと比べても鉄骨で補強されている分、強度、耐震性において優れています。防音性や耐火性についてもRC造と同水準以上の安心感があります。

 

また、素材そのものの強度が非常に高いため、RC造と比較しても躯体をコンパクトにすることができ、その分内部の空間を広くとることも可能です。

 

機能的にはあらゆる面で優れているSRC造ですが、素材として複雑なため最も工期がかかる他、素材の価格も高く、建築コストに、ひいてはオフィスの賃料に転嫁されがちです。

 

また、素材の中に鉄骨を含むことにより鉄筋コンクリートに比べると柔軟性の面では劣り、設計の柔軟性という面で制約が出てきます。

 

その他の建築構造

 

現在日本の建造物の構造としてメインに用いられているのは、上記の「W造」「S造」「RC造」「SRC造」ですが、数は少ないながらも他の素材が用いられているケースや、組み合わせられているケースもあります。

 

例えば、鋼管にコンクリートを充填した「CFT造」や軽量なアルミを素材とした「AL造」、建物の下層部分をRC造、上層部分をS造で建築する「RS造」、コンクリートブロックを積み上げた「CB造」などが挙げられます。

 

いずれの場合も素材に特徴がありメリットとデメリットが存在するため、自社が重視する条件に合致する素材であるかを確認した上で物件を選ぶことが重要です。

 

RC造のメリット

 

 

RC造の特徴、およびその他のメジャーな建築資材で建造した建物の特徴を紹介しましたが、その上で改めてRC造のメリットをまとめていきます。

 

素材の強度や防音性といった性能に加えて、デザイン性の高さが大きな魅力として挙げられます。

 

耐震性が高い

 

鉄筋コンクリートはコンクリートの圧縮する力への耐久性と鉄筋の引っ張られる力への耐久性を併せ持った頑丈な素材です。

 

耐震性能においても高い効果が期待できます。実際、過去の震災のデータにおいてもRC造の建物の倒壊率は比較的低かったことが記録されています。

 

建物の寿命が長い

 

鉄筋コンクリートは適切なメンテナンスを行えば100年程度持つとすら言われています。参考指標として減価償却に用いられる「法定耐用年数」もSRC造と同様に47年に設定されています。

 

法定耐用年数は木造は22年、S造の場合プレハブ造であれば骨格材肉厚3㎜以下であれば19年、3㎜~4㎜であれば27年です。4㎜以上の重量鉄骨造であれば34年です。これらの数値と比較しても素材の耐久性が高いとみなされていることがわかります。

 

耐火性が高い

 

鉄は540度以上の熱を受けることにより強度を失ってしまいますが、コンクリートは1000度以上の温度でも2時間以上耐えることができるとされています。

 

防音性が高い

 

コンクリートは気密性が高い素材です。W造やS造と比較して防音性が高く、周辺の入居者の物音に悩まされることなく業務に集中することが期待できます。

 

デザイン性が高い

 

コンクリートはそもそもデザイン性の高い素材です。鉄筋コンクリートを躯体として用いることによって、オフィスの建物自体をデザイン性高く建築することが可能です。

 

この点において、鉄骨鉄筋コンクリートの場合は鉄骨が入ってくる分柔軟性が犠牲となるためRC造方が優位性がある点と言えます。

 

RC造のデメリット

 

 

一方でRC造のデメリットについても挙げていきます。コスト面や工期などがネックになってきます。

 

建築費用が高く家賃が高額になりがち

 

鉄筋コンクリートは素材として高額なだけでなく、工事の工程も複雑になるためその分建築のコスト自体がかさみます。

 

建築コストがかかる建物は賃料で回収せざるをえないため、必然的にRC造のオフィスビルの賃料は高額になりがちです。

 

オフィスビルの中で現在大多数はRC造かS造ですが、S造のオフィスビルと比較するとやはり割高になりがちです。

 

地盤の強化が必要な場合もある

 

鉄筋コンクリートで躯体を建造すると地盤への大きな負担がかかります。場合によっては地盤の強化が必要になる場合があります。

 

地盤の強化工事が必要となった場合、当然に建築コストに上乗せされることになるため最終的にはオフィスの賃料に上乗せされることになる可能性が高いです。

 

結露が出やすい

 

鉄筋コンクリートは素材の気密性が高い分、結露が出やすくなります。鉄筋は熱を伝えやすく、一方でコンクリートは湿度の調整機能が低いため、RC造のビルには必然的に結露がでやすくなります。

 

定期的な換気や除湿を行うか、もしくはそういった調節機能のついたオフィスを探すかといったことが対策になりえます。

 

壁が厚くなりがちである

 

RC造は構造上S造やSRC造と比べて壁が厚くなりがちです。その分、内部の空間が狭くなってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

 

RC造のオフィス選びで大切な点

 

 

RC造のオフィスは素材の品質の高さ、デザイン性の高さが魅力ですが、一方でデメリットもあります。

 

そこで、RC造のオフィスビルを選ぶ際に注意すべきポイントについて解説していきます。

 

ポイント①賃料

 

RC造はどうしてもS造と比較すると賃料が高額になりがちです。また、RC造の中でも建築費に地盤強化工事が転嫁されている場合は更に金額がかさむ傾向にあります。

 

RC造の場合、そういった事情が賃料に反映される可能性もあるといったことも念頭に置いたうえで、オフィス賃料が他と比べて適正か考えることが大切です。

 

ポイント②デザイン性

 

RC造は高いデザイン性も魅力の一つです。オフィスのデザインに強いこだわりを持つ場合、RC造の良さを活かし、望ましいレイアウトのオフィスになっているかといった点も考慮すべき事項です。

 

RC造は壁が厚くなりがちなため、オフィスのデザインにこだわりたい場合は、そういったポイントも含めて要望を満たしうる物件であるかを検討することが望ましいと言えます。

 

ポイント③結露対策

 

RC造は素材の性質上、どうしても結露が出やすくなりますが、結露を放置しているとカビやダニなどの原因にもなりかねません。

 

適切な換気、除湿が行えるような対策が行われている物件であるかどうかも選定の重要なポイントになりえます。

 

SERECTで理想のオフィス物件に出会える確率を高める

 

 

オフィスの物件探しにおいて一見流されてしまいがちな建物の構造ですが、理解した上で判断材料に加えることによって、オフィス物件の良し悪しをより適切に判断でき、理想の物件に出会える可能性が高まります。

 

しかし、一方でRC造物件を選ぶにあたって注意しなければならないポイントがあるのも事実です。

 

RC造オフィスビル選びにおいて失敗を回避する方法の一つに、物件のオーナーと直接つながり、事前に必要な事項を確認するといったことが挙げられます。

 

物件について誰よりも良く知っているオーナーと直接やり取りすることにより、ミスマッチのないオフィス選びが実現します。

 

SERECTは本来中々直接繋がることが難しい物件オーナーとチャットを通して直接つながれるプラットフォームです。

 

物件の構造だけでなくあらゆる諸条件について確認することができるため、入居に関するトラブルを大幅に減らし、不安の少ないオフィス運用が期待できます。

 

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まとめ

 

 

RC造について、他の主な構造とも比較しながら特徴や、オフィスビル選びにおいて注意すべきポイントをまとめました。

 

RC造自体、オフィスビルの構造としてメジャーなものでありメリットも多いですが、気をつけなければならないポイントも複数あります。

 

今回紹介した論点も踏まえながら物件の構造の違いやRC造の中でも注意するポイントなどに注目することが理想のオフィス選びに近づくことをぜひ意識してみてください。

 

客観的にポイントを判断するのが難しいときはオーナーに直接確認を取ることも有効です。

 

この記事を書いた人

IBASHO編集部

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オフィスで働くことをもっとたのしく・働く場所としてもっと快適に。「はたらく人を幸せにするメディア」IBASHOを運営しています。
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