FPTジャパンが創る、31カ国の多様性。個性を才能に変える、環境デザインのヒント
ベトナムのICTリーディングカンパニーであるFPTグループの「FPTソフトウェア」日本法人として、日本市場に根差した事業を展開するFPTジャパンホールディングス株式会社。
31カ国に及ぶ国籍の文化や思想を尊重し、異なる個性を活かしあう文化の醸成を目的とした同社のオフィスは、イノベーション創出、人材確保、そして市場競争力強化に向けて多様化を進める企業に多くのヒントを与えてくれます。
今回は、2024年7月1日に移転した「住友不動産東京三田ガーデンタワー」の新オフィスに伺い、多様な才能の可能性を最大化するオフィスの工夫を聞きました。
2018年に総務部部長に就任。オフィスを「会社の価値観や成長ストーリーを体現する場と」位置付け、オフィス運営・管理業務に従事する。2024年7月に移転した本社三田オフィスでは、FPTの象徴的な価値観であるDiversityをIdentity(形・色・デザイン)、Functionality(多様な利用機能)、Flexibility(目的に使える空間)の3つの要素で具現化。社員がオフィス空間を主体的に活用し各自が最適な働き方ができるよう、生産性とウェルビーイングが両立するオフィス作りに取り組んでいる。
目次
ベトナムのICTリーディングカンパニーの日本法人、その歩みとは
まずは、御社の成り立ちからお聞かせください。

当社は、ベトナムのICTリーディングカンパニーであるFPTソフトウェアの日本法人です。
FPTソフトウェアは、ベトナムの経済成長を牽引するITコングロマリット「FPTコーポレーション」の傘下にあり、日本法人である私たちもグループの特性を色濃く受け継いだ多国籍な企業として2005年の設立から着実に日本市場での存在感を高めてきました。
現在は、日本国内で連結5,000人(2026年1月現在)の社員を擁し、東京本社をはじめ札幌、栃木、静岡、名古屋、大阪、広島、 福岡、沖縄に17拠点を展開。現在では、RPA、ブロックチェーン、AI、クラウド、ERP、ビッグデータ分析など多様なサービスをエンドツーエンドで展開し、お客様のデジタル変革(DX)の実現を支援しています。
グローバルな競争優位性と多様な人材
日本市場でプレゼンスを高めることができた背景には、どのような強みがあるのでしょう。
グローバル展開が当社の競争優位性です。ベトナム本社や各拠点の人材を活用し、オフショア(海外開発)とニアショア(国内拠点)を最適に組み合わせた「ベストショア」モデルにより、コスト競争力と品質の両立を実現しています。
また、顧客の経営課題や業務特性を踏まえ、構想・設計段階から実装、運用までを見据えた支援ができる点も強みです。特定の技術に依存せず、課題に応じて最適な技術を組み合わせて価値創出を図っています。
高品質且つ安価なベストショアモデルで、多様なソリューションを上流工程から提供できるのですね。働いている社員の方々には、どんな特徴がありますか。
社員全体の約半分が日本人、残り半分がグローバル社員で、社員の国籍は全部で31に及びます。この多様性こそが当社の最大の特徴であり、強みですね。生まれ育った国が違うことによる価値観や視点、思想の違いを個性として受け入れ、活かしあう文化が豊かな発想を生み出しています。
多様な個性が集うなかで、企業文化はどのように醸成されているのでしょう。
FPTコーポレーションは、ベトナム国内で売上トップクラスの大企業であり、自社で教育機関をもって即戦力人材を育成するなど、ベトナムの経済成長を牽引する存在です。その勢いと社員の楽しさを重視する経営哲学、イベントを通じたチームビルディングを好むベトナムの文化が当社にも根付いていますね。年間を通してたくさんのイベントが開催されて、いつもとてもにぎやかなんですよ。
強みである「多様性」をテーマに、新オフィスを設計

人材の多様性が御社の強みの原泉であることがよくわかりました。その強みを最大化するために、オフィスの構築・運用で工夫されている点を教えてください。
2024年7月に移転した三田オフィスは、まさに「ダイバーシティ(多様性)」がテーマです。異なる国籍や文化的背景を持つ一人ひとりの可能性を最大化するには、お互いのバックボーンを尊重し、個性を理解し合える環境が不可欠だからです。
オフィスでは、32階、33階ともに、多様性を「Identity(アイデンティティ)」「Functionality(ファンクショナリティ)」「Flexibility(フレキシビリティ)」の3つで表しています。
3つの要素を軸にオフィスをデザインしていったのですね。要素が反映されているポイントを、具体的に教えてください。まず、Identityはどのように表現されているのですか?
Identityは、色や形、デザインで表現しました。33 階のエントランスでは、異なる印象を持つ丸、三角、四角の図形を豊かな彩りで壁に投影しています。

カーペットも、単一色ではなく多様な色を組み合わせているんですよ。もちろん天井の照明も、形と大きさを変えています。什器もいろいろな形と色を組み合わせることでIdentityを体現しました。

色や形が違うのにきちんと統制がとれていて、多様性の本質に触れている気がします。

企業文化を育む空間デザインの工夫
企業文化の浸透について、オフィス設計で工夫している点はありますか。
インドアゴルフ練習場や、イベントスペースは、まさに当社の企業文化を体現し、その浸透に一役買っていると思います。

ゴルフ練習場はふだんから人気ですが、特に社内のゴルフ大会前には、熱心に練習する社員の姿が見られました。一つひとつのイベントに本気で挑む当社ならではかもしれません(笑)。

そもそも、FPTコーポレーション自体がお祭り好きな社風なんですよ。ベトナムでは大企業ですが、まるでベンチャー企業のようなノリの良さがあり、その雰囲気が当社にも受け継がれていると感じます。ほぼ毎週、イベントスペースを使って何らかのイベントが開かれている気がしますね(笑)。特に、ベトナムの旧正月の時期になると、エントランスの映像も旧正月バージョンになりますし、ベトナム国籍の社員はそわそわしています。

新入社員向けのノベルティを飾っているスペースも印象的でした。
新入社員(中途採用含む)には、これから一緒に歩んでいくという意味を込めて「Start With You」とメッセージを書いたノベルティを渡しています。ノベルティを受け取った新入社員が、いつも私たちの存在を近くに感じられるように、33階の一角にこれまでのノベルティを集めて展示しました。
これも、社員同士のつながりを大切にする私たちらしいスペースだといえますね。

働き方に合わせて変化する、機能的で柔軟なオフィス空間
Functionalityについてはいかがですか?
Functionalityは、柔軟性のある機能です。自分にとって最適な働き方を見つけられるよう、使い方の自由度を高めました。


働き方や気分にあわせて、場所やスタイルを選べるのが良いですね。オフィスへの愛着も高まりそうです。最後に、Flexibilityについても教えてください。
Flexibilityは、空間の多目的性です。固定席をフリースペースに変更したり、平時はイベントスペースをコミュニケーションスペースとして活用したりと、目的に応じて自由に設備を動かすことができます。
32階のイベントスペースに設置している寿司ロールの一種の「MAKI」をイメージした椅子も、可動性の高さに魅力を感じて導入しました。主に大規模なセミナーなどに使用する場所ですが、ふだんは自由に椅子を動かして仕事をして構いません。

データドリブンな運用管理で、よりよい環境の構築をめざす
オフィスを自分の働き方にあわせて自由に使用してもらうために、運用で工夫している点があれば教えてください。
厳格なルールを設けず、社員の主体性や感性に任せています。なぜなら、使いながらよりよい使い方を編み出したり、私たちが意図していない使い方がスタンダードになったりすることがあると思うからです。実際に使っている社員の意見やアイデアを吸い上げて分析し、継続的にオフィスの環境改善を図っています。
また、IT企業である自社の知見と技術を生かして、自社開発の会議室予約システムや座席管理システムを導入しています。どちらも使用効率を上げることが目的ですが、データを取ることで使用頻度や使用人数、よく使われている場所などが可視化できるため、ちょっとした改善にも役立っているんですよ。
オフィスを使用している社員の皆さんからの反応はいかがですか。
33階の利用開始から3ヶ月経った時点で全社員向けのサーベイを実施したところ、かなり満足度が高いという結果が出ました。32階はこのサーベイで出た細かな意見を反映して作りこんだので、さらに満足度が上がることを期待しています。
「多様性」を強みに、次の成長へ。
来訪者へのブランド発信にもつながる、すてきなオフィス環境でした。最後に、働いている社員の方、および御社への入社を検討している方にメッセージをお願いします。

私たちは、異なる背景を持つ仲間が互いを尊重しながら自らの能力を高め、チーム全体で成長できる場所をめざしてオフィスを設計しました。31 国籍の多様なチームの一員として、自らの個性を活かし、仲間と共に飛躍できる環境がここにあります。ぜひ、オフィスを成長の場として活用してもらえると嬉しいです。