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「偶然の出会い」を仕組み化する。セガサミーホールディングス総務本部が創るオフィスの「つながり」

  • #コミュニケーションを生む空間づくり
  • #ハイブリッドワーク
  • #フルフレックス制
セガサミーグループ workrary.取材

「感動体験」は、オフィスの中でどのように創造されているのか――。

2018年、点在していたグループ企業の本社機能を「住友不動産大崎ガーデンタワー」に集約したセガサミーグループ。約20社・6,000名が働くこのオフィスで、総務本部が担うのは、一般的な総務業務にとどまりません。

指針とするのは、Mission / Purposeである「Captivate the World 感動体験を創造し続ける 〜社会をもっと元気に、カラフルに。〜」の体現。社員やゲストがそのスピリットを肌で感じられる環境を、総務本部はどのように構築し、維持し続けているのでしょうか。

日々のオペレーションに込められた意図から、実務レベルでの具体的なアプローチ、さらには「つながり」を重視する組織としての姿勢まで。本間さん、伊藤さん、吉岡さんの3名にお話を伺いました。

本間 美穂
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本間 美穂
総務本部 コミュニケーションサービス部 カルチャー推進課

2016年にセガサミーホールディングスへ入社。2018年の本社移転後は総務本部で幅広い業務を経験し、現在はTHE LIBRARYや受付周辺エリアの運営管理、アスリート社員のサポートなど、社員同士のつながりを生み出す環境づくりを担っている。

伊藤 愛美
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伊藤 愛美
総務本部 コミュニケーションサービス部 コミュニケーション推進課

2018年にアトラスへ入社。2023年にセガサミーホールディングスへ転籍。総務本部で社員食堂「JOURNEY’S CANTEEN」の運営を担当するとともに、社員同士やグループ会社間のコミュニケーション活性化につながる各種施策の企画・実施に携わっている。

吉岡 若葉
インタビュー
吉岡 若葉
総務本部 コミュニケーションサービス部 カルチャー推進課

2023年にセガサミーホールディングスへ中途入社。総務本部に所属し、入社から現在まで、FREEPORTの運営・アスリート社員のサポート・社内イントラサイトの活用など、社内コミュニケーションの活性化をめざし幅広い業務に取り組んでいる。

20社・6,000名の「はたらく」を支える。セガサミーグループのワークプレイス

workrary.ライター :

まずは御社についてご紹介ください。

本間さん :

セガサミーホールディングスは、セガとサミーが2004年に経営統合して誕生した持株会社です。グループとしてはゲーム・トイ・映像などの「エンタテインメントコンテンツ事業」、パチンコ・パチスロの「遊技機事業」、統合型リゾートやカジノ機器の「ゲーミング事業」の3つを展開しています。

伊藤さん :

私たち総務本部は、約20社・6,000名が働くこのオフィスで、一般的な総務業務だけではなく社員同士のつながりや交流を生み出す環境づくりを担っています。

環境と制度の両輪で支える柔軟な働き方

ライター :

御社の働き方の特徴を教えていただけますか。

吉岡さん :

ハイブリッド勤務の定着に伴い、オンライン会議の増加など、職種や組織ごとに働き方も多様化しています。そういった変化に対応するため、全員分の固定席を完備しながらも、社内で様々な業務シーンに対応する環境も整えています。

伊藤さん :

集中して資料をつくりたいとき、アイデアを出したいとき、誰かと気軽に話したいとき。業務のシーンに応じて、場所を選べるのが特徴です。制度面ではコアタイムなしのフルフレックスを導入していて、1ヶ月単位で調整しながら自由に働けます。

本間さん :

各々のライフスタイルに応じた柔軟な時間活用が可能となり、突発的な交通機関の遅延や家庭の用事といった、日々の細かなストレスも大幅に軽減されました。環境と制度の両面から、一人ひとりが自身の生活リズムに合わせて、より健やかに、能動的に働ける環境を整えています。

「仕事場」を超えたオフィスへ――コミュニケーションを生む空間づくり

ライター :

これだけオフィスの役割や機能が多い御社ですが、その構築にあたって最も根幹に据えられている「思想」や「大切にされていること」は何でしょうか。

本間さん :

弊社のオフィスは1フロア約1,600坪、サッカーコート1面分にも及ぶ広大な空間です。最大の特徴は、オフィス内の壁を極力取り払った見通しの良い設計にあります。

これほどの規模になると、どうしても「同じフロアにいるのに顔も名前も知らない」「一度も言葉を交わしたことがない」という状況が生まれがちです。だからこそ、物理的な仕切りをなくすことで、視覚的な開放感だけでなく、心理的なハードルも取り払いたいと考えています。

特にコロナ禍以降は、エンタテインメントコンテンツ事業を中心にグローバル化も加速し、外国籍の社員も増えています。だからこそ、多様なバックグラウンドを持つ人たちが自然にコミュニケーションを取れる場所であることを、大切にしています。

(提供写真)執務スペース

ライター :

「オフィス=仕事場」という枠組みだけではなく、コミュニケーションの場としても重視しているのですね。具体的にどのようなことをされているのでしょうか。

伊藤さん :

随所にコミュニケーションスペースを配置することで、部門やグループを超えた交流を促進しています。

社内外を繋ぎ、シナジーを生む。多機能プラットフォーム「JOURNEY’S CANTEEN」

伊藤さん :

その象徴的な場所の一つが社員食堂「JOURNEY’S CANTEEN(ジャーニーズキャンティーン)」です。毎日約1,500食を提供する480席の大きな食堂ですが、単に食事をする場所という枠を超えた活用をめざしています。

ライター :

480席!これだけの規模だと、運用も工夫が必要そうですね。

伊藤さん :

はい。現在は出社率が7割程度で、1〜2名での利用が多いため、2025年8月のリニューアル時にあえて4人掛けの席を減らして無駄な空席が出ないようレイアウトを最適化しました。さらに、什器を一新し、座席の使い方がひと目でわかる間取り図も用意しています。社内のイントラサイトから、リアルタイムで混雑状況やメニューを確認できる仕組みも整えました。

ライター :

利用者にとっての過ごしやすさが徹底されていますね。メニューについても、かなりユニークな取り組みをされていると伺いました。

伊藤さん :

実は、ランチメニューを「グループ間の相互理解を深める場」として活用しているんです。総務本部と事業会社で開発するメニューの多くは、各部署からの持ち込み企画なんですよ。

ライター :

持ち込み企画ですか!どのような内容なのですか?

伊藤さん :

例えば、新作ゲームの発売に合わせたコラボメニューや、キャラクターの周年記念、あるいは各社の祝い事にちなんだメニューなどです。「このキャラクター、もう○周年なんだって」「このコラボメニュー、気になるから一緒に食べに行こうよ」といった会話が自然に生まれるよう、総務本部に企画を持ち込んでもらっています。

(提供写真)セガサミースポーツ「Bリーグ/サンロッカーズ渋谷」
「Mリーグ/セガサミーフェニックス」「Dリーグ/SEGA SAMMY LUX」とのコラボ

(提供写真)サンロッカーズ渋谷 コラボ ドリンク

ライター :

自社の事業を知ってもらいたいという、各現場の熱い想いがメニューに反映されているのですね。素晴らしい仕組みです。

伊藤さん :

ありがとうございます。一方で、個々の状況に寄り添うことも大切にしています。好きな分だけ取れる「量り売りコーナー」で体調に合わせた食事を提供したり、一人で静かに休憩したい時のために「お弁当販売」も継続しています。

量り売りコーナー
ライター :

休憩時間の過ごし方に選択肢があるのは嬉しいですね。

伊藤さん :

ランチのコアタイム以外は、作業スペースや打ち合わせ場所としての利用も可能です。モニターやコンセントが使える席も用意しています。

さらにカフェ・ベーカリーでは社内価格でコーヒーを楽しめるほか、18時以降はバーとしてアルコールの提供も行っています。

カフェ・ベーカリー
カフェ・ベーカリー
伊藤さん :

年末には400名規模の社内飲み会を開催したり、社外の方をお招きしたイベントや研修会場としても活用しています。イベントの実施は年間で約160回開催されており、食堂という枠を超え、社内外が混ざり合う多機能なプラットフォームをめざしています。

ライター :

食べる場所から、働く場所、そして語らう場所へ。総務本部のみなさんの細やかな仕掛けが、確かな熱量を生んでいるのですね。

季節の装飾からイベント会場まで。「&BAR」が担う交流促進の役割

伊藤さん :

食堂のさらに奥には、「&BAR(エンデバー)」という交流スペースもあります。休憩時間や終業後に飲み物を片手に利用している方もたくさんいますよ。ダーツ、バカラテーブル、大型モニターも設置していて、各社の製品やサービスに関するイベント会場やショールームとしても活用しています。

季節を感じるフォトスポットと、社員の想いをつなぐメッセージカード展示を実施中
伊藤さん :

取材時はバレンタイン直前でしたので、このような装飾を施しました。ハロウィンやクリスマスなど、季節ごとに装飾を変えています。

ライター :

業務外のイベントや装飾にこれほど力を入れるのは、どのような狙いがあるのでしょうか?

伊藤さん :

理由は大きく2つあります。1つは、「社員が立ち寄るきっかけ」を物理的に作るためです。これほど広大なオフィスだと、明確な目的がなければ足を運ばないエリアがどうしても出てきてしまいます。そこで、「今はバレンタイン仕様らしいよ」という季節ごとの小さな話題をあえて提供しています。それがトリガーとなり、普段は接点のない部署同士が自然と集まり、会話が生まれる。この「偶然の出会い」の分母を増やすことを大切にしています。

もう1つは、自社が提供する「エンタテインメント」を、社員自らが体感・発信する場所にするためです。ショールームとして自社製品に触れる機会を作ることで、制作側もバックオフィス側も、自分たちが世の中に届けている「楽しさ」を再確認できる。&BARは、そのための熱量を供給するスポットだと考えています。

ライター :

なるほど。単なる福利厚生ではなく、会社のアイデンティティを共有し、コミュニケーションの温度を下げないための戦略的な仕掛けなのですね。

グループ会社である株式会社ダーツライブが開発したダーツマシン

自発的な交流を促す「ハブ」――「FREEPORT」という場所

ライター :

ここまでお話を伺って、社員食堂や&BARなど、各エリアが非常に明確な意図を持って設計されていると感じました。

吉岡さん :

ありがとうございます。その戦略をさらに一歩進め、「会話を生み出すこと」に特化して設計されたのが、「FREEPORT(フリーポート)」というスペースです。

社員食堂の一部を改装して誕生したこのスペースは、コミュニケーションエリアとインスピレーションエリアの2つで構成されています。

吉岡さん :

コミュニケーションエリアでは、ホットコーヒーやフレーバーウォーターを無料で提供しており、気軽な雑談やカジュアルなミーティングの場として活用されています。実はここ、「ドリンクの他エリアへの持ち出しはNG」というルールを設けているんです。

ライター :

持ち出しNGですか? テイクアウトできる方が便利そうな気もしますが……。

吉岡さん :

利便性よりも「その場での交流」を優先しているからです。デスクに持ち帰らせないことで、あえてここで足を止め、誰かと顔を合わせる時間を意図的に生み出す。壁面のモニターで時事ニュースやトレンド映像を流しているのも、「今のニュース見た?」といった会話が自然に生まれるよう設計しているためです。

ライター :

目的がはっきりしているからこそ、使い方も自然と定まってくるんですね。

吉岡さん :

また、このエリアには「クルー」と呼ばれる専門スタッフが常駐しているのも大きな特徴です。

ライター :

受付や清掃の方とは、また役割が違うのでしょうか?

吉岡さん :

はい。施設の管理だけでなく、「人と人をつなぐハブ」としての役割を担っています。例えば、一人でコーヒーを飲んでいる方に「あちらの部署の方も同じプロジェクトに興味があるそうですよ、ご一緒にいかがですか?」と声をかけたり。

ライター :

まるでコミュニティマネージャーのようですね! 自分から話しかけるのが苦手な方にとっても、クルーが間に入ってくれるのは非常に心強い。

吉岡さん :

「場所を作って終わり」ではなく、人の手を介して熱量を循環させる。それが、この広大なオフィスを本当の意味で使いこなすための、私たちの答えの一つなんです。

クリエイティブを刺激する社内ライブラリーの思想

本間さん :

FREEPORTのもう一つの顔が「インスピレーションエリア」です。ここにあるライブラリーには、ビジネス書や自己啓発書、漫画、アート本、旅の本など、あえてジャンルを横断した7つのカテゴリーで書籍を揃えています。

ライター :

ビジネス書から漫画まで! まるで街のブックカフェのような充実ぶりですね。

本間さん :

私たちの事業はクリエイティブな発想が生命線です。だからこそ、「社内に良質なインプット環境を整えること」は、投資すべき重要な項目だと考えています。仕事の合間の気分転換でふと手に取った一冊が、全く新しいアイデアのヒントになる。そんな「偶然の出会い」を誘発したいんです。

ライター :

社内にライブラリーがあるとは羨ましいです!誰でも利用できるのでしょうか?

本間さん :

はい。予約不要で自由に使えるので、ふらっと立ち寄れるのが人気のポイントです。

本間さん :

可動式のテーブルでレイアウトも自由自在なので、一人の没入時間にも、チームでのブレストにも対応できます。最近はイベントや撮影会場としても使われています。そして、ただ本を並べて終わりではありません。同じ景色では刺激が薄れてしまうので、ジャンルの見せ方や打ち出し方は日々見直しています。「来るたびに違う発見がある場所」であり続けるために、今もなお模索を続けています。

五感にこだわった「集中ブース」の設計思想

吉岡さん :

刺激を受ける場所があれば、それを形にするための「深く潜る場所」も必要です。ライブラリーと同じエリア内には、集中ブースも設けています。

ライター :

こちらはまた、空気がピンと張り詰めているというか、心地よい静寂がありますね。

吉岡さん :

ここでは五感のコントロールを徹底しています。オフィスの雑音は遮断しつつ、鳥のさえずりなどの自然音を流し、目的に合わせたアロマ(嗅覚)や植物の配置(視覚)にもこだわりました。

ライター :

嗅覚や聴覚まで! まさに「脳を仕事モードに最適化する」ための空間ですね。

吉岡さん :

長時間オフィスで働く中で、「集中・休憩・交流」のメリハリをいかにデザインするか。 他のフロアにも集中スペースはありますが、このFREEPORTでは特に、五感を刺激しながら質の高いアウトプットへ繋げるための細かな工夫を積み重ねています。

アナログが生む、リアルなコミュニケーション。「人と人が関わること」を大切にする総務本部の姿勢

ライター :

これだけ多くの方が働かれていると、社員のみなさまの声はどのように集めているのでしょうか。

伊藤さん :

&BARの装飾スペースのそばに、意見箱を常設しています。季節の装飾の近くに置くことで、立ち寄ったついでに気軽に意見を書いてもらえるよう工夫しています。

「あのメニューをまた食べたい」「味が少し濃いのでは」など、内容はさまざまです。手書きでいただいた意見には、手書きでお返しする。そのやり取りを大切にしていて、週2〜3通、年間300件ほどのリアルな声が改善策につながっています。

ライター :

手書きだからこそ伝わる温もりがありますよね。そういった姿勢が、社員のみなさんにも伝わっているのではないでしょうか。

伊藤さん :

ありがとうございます。デジタル化が進む今だからこそ、「アナログの良さ」を意識的に活かすようにしています。人と人が直接関わることで生まれるものは、デジタルでは代替できないと感じているからです。社食も執務室も壁をつくらない内装にしているのも、その考えの表れです。

部署も会社も関係なく、隣から笑い声が聞こえたり、ふとオフィスを見渡したら誰かと目が合ったり。そんな何気ない瞬間が、コミュニケーションのきっかけになるんです。

ライター :

物理的な壁がないと、心理的な距離もぐっと縮まりますよね。

伊藤さん :

代表を含む役員のデスクも、一般社員と同じオープンスペースに置いています。役職に関係なく声をかけやすい雰囲気を、大切にしています。

(提供写真)社長執務スペース

グループ全体を見渡す視点

ライター :

オフィス環境が充実しているほど、地方や海外拠点との温度差も気になるところです。そのあたりはどのように対応されているのでしょうか。

本間さん :

全国・海外にも拠点がありますので、「大崎だけいいな」と感じさせないバランスを取ることは、常に意識しています。本社には社員食堂がありますが、他拠点にはありません。そこで、他拠点の社員にも食事補助を受けられる仕組みを導入し、環境の差が不満につながらないよう配慮しています。

ライター :

本社勤務の特権のようになってしまうと、拠点間でモチベーションにも差が生まれてしまいそうですね。

吉岡さん :

拠点間の差が疎外感につながらないよう、さまざまな取り組みをしています。例えばハロウィンの時期には、海外拠点ではどんなパーティーをしているか、日本ではどんな仮装で盛り上がったかを社内システム上で情報交換し、グループ全員が見られるようにしています。どの拠点にいても、グループの一員として安心感を持ちながら楽しめる環境をつくること。それが、私たちの大切な役割だと思っています。

「来てよかった」の一言が、私たちの原動力――総務本部が見据えるオフィスの未来

ライター :

本日は、ありがとうございました。それでは最後に、はたらくみなさんへのメッセージをお願いします。

吉岡さん :

日々グループ会社間の交流を促進する施策を行っていても、正直、顔を見たことがない方もたくさんいます。同じ拠点で働いていながら、接点が生まれないまま日々が過ぎてしまうことも少なくないんです。だからこそ、出社した時に食堂やFREEPORTでどなたかと言葉を交わすような、そんな小さな接点が生まれるだけでも嬉しいですし、私たちの仕事を通じてグループの一体感を少しでも感じていただけたらと思っています。

伊藤さん :

意見箱に寄せられる声や、季節ごとの装飾に足を止めてくれる姿を見るたびに、この場所が誰かの「きっかけ」になっていると実感します。これからも、来るたびに新しい発見があるオフィスをめざしていきたいですね。

本間さん :

施設を使って各社がイベントを開催してくださるんですが、すごく盛り上がっている様子を見ると、こちらまで嬉しくなるんです。「来てよかった」と思ってもらえるオフィスにし続けることが、私たちの目標です。

取材先:

セガサミーホールディングス株式会社

https://www.segasammy.co.jp/ja/ 公式サイト